「実務経験者に対する講習制度」の認定を受けました

はじめに
こんにちは、診断員の秋本です。
令和8年度より、「実務経験者に対する講習制度」という、情報処理安全確保支援士の更新における新しい制度が導入されました。詳細はこちら。
私はちょうど更新対象になっていたので、早速この制度に申し込みました。無事認定を受けられましたので、申し込みから認定までの流れをご紹介したいと思います。
なお、今年度から導入された新しい制度ですので、翌年以降はガラッと内容が変わっている可能性もあります。その点はご承知おきください。
「実務経験者に対する講習制度」の概要
情報処理安全確保支援士は、試験に合格後、IPAに登録することでのみ名乗ることができます(通称:登録セキスぺ)。また、登録の維持のため、以下の講習の修了が義務付けられています。
- 年一回の「オンライン講習」
- 三年に一回の「実践講習」
「実践講習」はいくつか種類がありますが、受講時間は最低でも8時間かかり、費用も8万円からと、決して軽くない負担がかかります。
「実務経験者に対する講習制度」では、主にサイバーセキュリティ領域を実務としている場合に、その実務経験を「実践講習」相当とみなして「実践講習」が免除されます。このおかげで、登録セキスぺの維持にかかる負担がグッと下がります。
また、実務以外にも、IPAが認める支援業務や講師経験なども対象になるようです。このあたりの詳細は各自でご確認ください。
なお、本制度で認定を受けても「オンライン講習」は免除されませんのでご注意ください。
余談ですが、IPAが行う「実践講習」の代わりに、各民間事業者等が行う「特定講習」を受けることでも、3年に一回の講習を修了扱いとすることができます。
その時の体験記も書いていますので、興味があればご覧ください。
情報処理安全確保支援士の特定講習でRPCIを受けてきました – セキュアスカイプラス
申し込みの流れ
対象実務の確認
本制度の対象となる実務は、IPAのWebサイトにて確認できます(以下、こちらの内容を引用)。
| 実務経験の対象となるITSS+(セキュリティ領域)の分野名 | 認定基準 | 認定基準の評価者 |
|---|---|---|
| セキュリティ経営 セキュリティ監査 システム監査 セキュリティ統括 脆弱性診断・ペネトレーションテスト セキュリティ監視・運用 セキュリティ調査分析・研究開発 |
従事期間6か月以上 | 法人所属として受けた業務 :企業内の上長 個人として受けた業務 :顧客 |
| デジタル経営 デジタルシステムストラテジー デジタルシステムアーキテクチャ デジタルプロダクト開発 デジタルプロダクト運用 |
従事期間1年以上 | 同上 |
私は今回、脆弱性診断の実務経験で申込することとしました。
申請書の記入
申し込みにあたり、申請書(専用のExcelファイル)に業務内容や業務における役割などの業務実績を記入する必要があります。ファイルは登録セキスペのポータルサイトから「実務経験者に対する講習制度」と書かれたボタンをクリックした先のページで確認できます。ポータルサイトのログイン後の画面以外から当該ファイルへの導線は確認できなかったため、ここでURLを直接記載することは控えておきます。
この業務実績の記入で一番大変だったのは、「業務内容」の項目でした。
以下の5点から構成される項目で、しっかりと作文が必要です。
- 業務概要
- 業務の全体像を説明
- 150~250文字
- 解決すべき課題
- 従事した業務において、どのような問題やリスクが存在したのかを説明
- 200~300文字
- 課題解決方法
- 「解決すべき課題」で示したものへの解決策を説明
- 200~300文字
- 結果に対する評価
- 「課題解決方法」の結果を説明
- 200~300文字
- 後進育成への貢献
- 業務を通じてサイバーセキュリティに関わる人材の育成にどのように貢献したか
- 150~250文字
さすがに「実践講習」の受講に比べると肉体的な負担は少ないものの、必要な情報がまとまっていなかったり、期待される記入内容の理解に時間がかかったりと、それなりに手間がかかりました。
所要時間で言うと、正確に計測はしていませんが、延べ時間では「実践講習」と同じくらいかかったかもしれません。
今後本制度を利用される場合、身近に認定を受けた方がいるなら、積極的に相談することをおすすめします。
評価者からの承認
記入した申請書について、内容に嘘偽りがないことを評価者に証明してもらう必要があります。
この評価者は、企業勤めであれば自身の上長が該当することになると思います。
私は申請書と本制度の概要について上長に共有し、「証明書」シートへの記入を依頼しました。特に不備がなければ、申請書内の評価者用のシートに情報を追記してもらうだけで完了です。
手数料の支払い
本制度は、申請ごとに申請手数料3,500円が必要です。もし申請が拒否されて2度目以降の申請を行う場合も、都度手数料が必要なようです。
手数料は「オンライン講習」の支払いと同じように講習システム上から可能です。
決済方法は、クレジットカード、銀行決済、コンビニ決済が利用可能です。
もし団体登録をしている場合は、担当者から「団体コード」と「支払いトークン」を共有してもらい、講習システム上で登録します。
手数料を支払うと、申請書を提出できるようになります。
申請書の提出
申請書は、別途申請システムで提出します。
申請システムのURLは、ポータルサイトへのログイン後にアクセスできる手引書の中に記載されています。URLに有効期限が付いていそうだったので、ここでの共有は控えます。
申請システムにアクセスして利用登録を行うと、メールアドレスに申請用フォームURLが届きます。
このURLにて申請書(業務実績等を記入したExcelファイル)をアップロードすれば、申請は完了です。
認定の連絡
申請結果は、ポータルサイトまたはメール通知にて確認可能です。
私はメール通知で気づきました。その後ポータルサイトの「受講履歴一覧」を見ると、確かに修了済みのステータスとなっていることが確認できました。
手引きを読む限りでは、この後は特にやることはないようです。これで無事修了です。
おわりに
制度の理解でややこしい部分があったり、業務実績の記入にそれなりの負荷があったりと、正直なところ気軽におすすめするのは難しいというのが率直な感想です。それでも、実際に講習を受ける場合と比較すると、申請にかかわる時間を自分でコントロールしやすいメリットはありそうです。日中にどうしても時間を空けられない方には向いているでしょう。
また、実践講習や特定講習は、強制されて学習する機会になるので、なかなか自発的に勉強する気にならない人にとっては、本制度を利用するより講習を受けた方が良いかもしれません。私自身、機会がないと体系的な勉強に手を付けることがあまりないので、次回の更新時は面白そうな特定講習を受けようかなと考えています。